やってはいけないWebデザインの学習法
このカテゴリでは、効率よく学習を進めるための方法をご紹介していく予定です。ですがまずはその逆、非効率な学習についてお話ししたいと思います。ものごとは逆を知っておくことも大事ですからね。
同じ時間を使うなら、効率が良くない方法はさけた方がいいのは当然!私が最初やっていたことから分かった非効率な学習について、これから詳しく説明していきたいと思います。
学生時代の延長で“勉強”してはいけない
非効率な学習法の本質は、非常に明快です。一言で言ってしまえば、学生時代の延長で“勉強”してしまうこと。これが、私が考える非効率的な学習法です。
私たちがなにか新しいものを覚える際、それをどうやって学ぼうとするでしょうか。勉学に励んでいた学生時代を思い出し、その延長のように勉強する人も少なくないと思います。例えばHTMLの本を買ってきて、タグを覚えようとして(パソコンもつけずに)読んで暗記したり、ノートにまとめたりする行為です。
一見妥当と思われるアプローチですが、ことWebデザインの学習においては、まったく向いていないというのが私の考えです。
なぜなら学生時代にしていた勉強と、Webデザイナーになるためのスキルを磨く学習(ここでは便宜上、勉強と学習とを分けて表現しています)は、かなり性質が異なるものだからです。
学生時代の勉強と、Webデザインの学習の違い
学生時代の勉強は、試験でいい点を取り、いい高校やいい大学に入るためにするものです。指標である偏差値を上げるために、一生懸命教科書を読んだり、ノートにとったり、暗記カードを使ったり、何かにひもづけて記憶したりと、それぞれの方法で勉強します。
しかも受験勉強ともなると、自分の好きなことだけを勉強すればいいというわけではありません。必要であれば、将来なんの役に立つのかさえ分からないようなことまで勉強する必要があります。ですから、勉強をすごく面白いものだと思えた人は少ないのではないでしょうか。
対してWebデザイナーになるための学習はどうでしょう。その理由は当然ながら、あなたが決めたゴール=Webデザイナーになることを達成するためにするものです。
それは、Webデザインの用語や略語を暗記することでも、PhotoshopやIllustratorのマニュアルを暗記することでもありません。Coolで機能的なWebサイトを作れるよう、実践的なスキルを身につけるために学習するのです。なんとなくのイメージ的には、Studyではなくlearningといった感じでしょうか。
Webデザインの学習はスポーツと同じ!
もう少し分かりやすく例えると、Webデザインの学習はスポーツのようなものだと言えます。ここではプロテニスプレイヤーになる方法を考えてみましょう。プロテニスプレイヤーになるのに必要なのはなんでしょうか。それは紛れもなく、テニスの強さ、これだけです。もちろんテニスの知識も必要ですが、戦術や用語をいくら知っていたって、ボールを打つことがうまくなければ、つまり強くなければプロにはなれません。
それでは、プロのWebデザイナーになるために必要なのはなんでしょうか。もちろん、クオリティの高いWebサイトを作るチカラです。いくらたくさんのHTMLタグを覚えていても、いくらPhotoshopの使い方を知っていても、一定水準以上のWebサイトが作れなければ、企業は採用しません。
「知識があればクオリティの高いWebサイトが作れるのでは!?」と思われるかもしれません。しかしそれは違います。意外に思われるかもしれませんが、「知識」=「クオリティの高いWebサイトをつくれる」ではありません。のちのち別ページでお話ししていきますが、クオリティの高いWebサイトを作るには、実践力が必要不可欠です。その実践力が伴わない知識は、ほとんど役に立ちません。
したがって、知識を詰め込んでいく学生時代の勉強と、実践力が必要なWebデザインの学習を同じく考えてしまうとよろしくないというわけなんですね。Webデザインの学習は学生時代の勉強とはまったく違うものと考え、くれぐれも知識を詰め込んでいくことを目標とした“勉強”をしないように気をつけてください。
やってはいけない学習法とは!?
さて、学生時代の延長で勉強しない方がいいことはお話ししました。基本的かつ重要な概念ではありますが、ちょっと抽象的でしたね。
ここでは、もう少し具体的に、学生時代には普通にやっていたけれど、Webデザインの学習にはあまり向いていないことをお話ししていきます。
丸暗記する
私たちが学生の頃、よく丸暗記をしませんでしたか?特に歴史の年号などは暗記の典型例です。何度も繰り返し見たり、声に出したり、暗記カードに書いたりといったように記憶したと思います。
Webデザインの学習には、丸暗記があまり向いていません。例えば、HTMLタグやCSSなどをまる覚えするような行為です。
丸暗記のような突っ込みがたの暗記方法は、子供は得意なのですが、大人はなかなか頭に入りません。事実、高校生あたりからは、丸暗記よりも論理立てて記憶する(後述のTIPS参照)方が効率がよいことも、脳科学的にわかっているそうです。
※参考文献:最新脳科学が教える 高校生の勉強法/池谷裕二
(この本は私の学習人生の方向を決定するくらいの影響力があった本で、本当にお勧めです)
量が少なければ丸暗記でも通用するのかもしれませんが、Webデザインの学習はけっこういろいろと覚えるものがあるので、丸暗記ではなかなか覚えられません。HTMLを暗記して次はCSS、JavaScript・・・と進んでいったら、いつの間にか最初のHTMLはさっぱり忘れてしまったということになりやすいのです。
論理立てて覚えるということとは!?
例えば、<a href="xxx" >xxx</a>というHTMLタグがあったとします。タグ内のa要素はAnchor(アンカー)のaですし、属性のhrefはHypertext REFerence(ハイパーテキスト、つまりHTMLの参照)でエイチレフなどと読まれます。 これを英字の羅列として丸暗記するよりも、その英字の意味から理解する方がいい、ということですね。
ノートに書いて覚える
これは私も当初やっていましたね。HTMLを学習する際に、学生時代のように一生懸命ノートに書いて覚えようとしたのです。ところが、さっぱり覚えられないのです。
Webデザインの学習をする上でもっとも大事なことは、PCで作業すること。ノートにとるより、実際にコードを打ち込んでみたり、ソフトの操作をしたりしながら身体を動かして覚えることが重要です。
決してノートにとるなというわけではありませんが、実際にキーボードをたたいたほうが覚えられるのです。人間不思議なもので、指が覚えてくる(実際にはもちろん脳が覚えているのですが)という不思議な現象すらあるくらいです。慣れてくると他のことを考えながらでもHTMLやCSSを書けるようになってきますから、少しでも多く実際にキーボードをタイプして慣れる方がいいでしょう。
全て覚えようとする
試験には100点満点がありますが、Webデザイナーになるには試験もありませんし、点数もありません。繰り返しになりますが、クオリティの高いWebサイトを作れるようになるのが目的です。ですから、その為には全てを覚える必要は全くありません。Webデザイナーとして、日常で行う仕事がなんなくこなせればいいのです。
Webデザインの教育現場や教材・本などでは、実際にはほとんど使わないことが超たくさん(!)紹介されています。そんなことまで含めて覚えるのは非効率的以外の何ものでもありません。もちろん知識の点はどこかで繋がることも多いので全くの無駄になることはないでしょうが、優先順位の高いことから覚えた方がいいのは明白です。
ですから全部覚えてやろうという考えは最初は持たず、ポイントを抑えて学習をすることが重要です。とはいっても「どこを学習すればいいんだ!」と思われるかもしれませんが、だれでも簡単に優先順位が高いものから覚えられる方法があります。そのコツについては引き続きこのカテゴリでご紹介していきますね。


