学習の効果はすぐには表れない

学習を始めてからしばらくのうちは学習の成果がほとんどでません。それはなぜなのかについてお話しします。

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学習の効果はすぐには表れない

「Webデザイナーになる」カテゴリ内にて、学習に関する様々なことをお話ししてきました。しかしこう言ってはがっかりされるかもしれませんが、学習を始めてからしばらくのうちは、学習の成果がほとんどでません。「お~い!」という声が聞こえてきそうですが、それはいかなる優れた学習をしていたとしても同じ。誰もが通らなければならない道なのです。

ここさえ通り抜ければ、後は自然とどんどん覚えやすくなってきます。しかし、それを先に知っていればがんばれますが、知らない人にとってはまさに辛い時期そのもの。この時点で、自分には才能が無いと感じて挫折してしまう人も少なからずいるのではないでしょうか。それはなんとももったいないことです。

本ページでは、なぜそのようなことが起こるのかについてお話ししていきます。これを知っておくことは、精神衛生上からしても有用なんですよ。

学習効果がすぐに表れない理由

例えば、全くの完全未経験の状態から学習を初めたとします。その際に一番苦労する辛い時期は(学習にかけられる時間にもよりますが)、おおよそ最初の半年前後でしょう。

先ほどお話ししたように、このあたりはいくら学習してもほとんど効果が目に見えてきません。逆に言えば、その後は学習が進めば進む程効果が出やすくなり、学習が楽になってきます。不思議な現象ですが、これは人間の仕組み上、当然のことだったのです。

新しいことを学ぶのは難しい

人は新しいことを覚えるとき、過去の体験や記憶の延長線上にあるものしかスムーズに覚えることができません。簿記未経験の人が、いきなり簿記1級の勉強をしてもスムーズにいかないのと同様です。これが第一の前提となります。

Web制作は、未経験の人にとっては新しいことが(超!)盛りだくさん。Web制作ソフトを覚えたり、グラフィックスソフトを覚えたり、デザインを学んだり、プログラムを学んだり、HTML/CSSコーディングを学んだり、ユーザビリティやマーケティングを学んだり。本当に新しいことだらけですよね。こんなにもジャンルが多岐にわたるのですから。

これらいろいろな要素が織り交ぜられているので、必然的に新しく覚えなければならないことが多くなる。ですから、最初からスムーズに覚えられないのは当然なのです。

土台ができていないのが原因

新しいことが覚えられない大きな原因は、Web制作の土台ができていないということが挙げられます。

先ほど私は「人は新しいことを覚えるとき、過去の体験や記憶の延長線上にあるものしかスムーズに覚えることができない」といいましたが、逆になぜ体験や記憶の延長線上にあるものは覚えやすいのでしょうか。それは、それらの(土台となる)記憶を利用して覚えることができるからです。

例えば、JavaScriptをプロレベルまで覚えたAさんがいるといます。他のことは何もできなかったとしましょう。Aさんと、全くのPC未経験者のBさんが同時にPHPを学習しだしたら、どちらが早く覚えるでしょうか。それは100%といっても過言ではないほど前者になるでしょう。

これは、JavaScriptを覚えることにより、AからみたB、BからみたAといった視点を持てるからです。例えば、「JavaScriptではこう記述するのが、PHPだとこうなるんだ」のような感じで、関連付けて記憶できるんですね。つまり、PHPを新たに学ぶのではなく、JavaScriptの知識を利用して学習することができるということです。これが大いに学習を促進させます。

AからみたB、BからみたAというのは、何もプログラミング言語だけではありません。CSSからみたXHTMLや、極論を言えばPHPからみたIllustratorでさえも時に役立つこともあります(全く関係なさそうですが、Illustraotrのシンボルはオブジェクト思考を知っていれば容易に理解できます)。これらが増えていくと、AからみたC、CからみたBなど、頭の中ではどんどん知識のネットワークが繋がってきます。

つまり、少しずつ学習が進むにつれ、Webデザインに関する土台がよりしっかりしてくるということです。土台がほとんど無いときには覚えられなかったことが、学習が進むにつれどんどん覚えやすくなっていくのはこういった理由なのです。

AとBの関係

補足すると、Aを覚えた後にBを覚えると、Bが覚えやすいだけではありません。実は、Aの理解が深まることにも一役買っているのです。つまり、先ほどの例で言えば、JavaScriptを覚えてからPHPを学習すると、(無意識のうちに)JavaScriptの理解にも役立つのです。

学習すればするほど覚えられる人になる理由

Webデザインに関する土台が無いから覚えにくく、土台ができれば覚えやすくなると先ほどお話ししました。ここで、学習すればするほど覚えられる理由について、もう少し詳しくお話ししたいと思います。

学習の効果はべき乗で表れる

先ほど、「Aから見たBと、Bから見たAという視点が持てる」という部分があったと思います。JavaScriptとPHPの例から、「そう言われればなんとなくそうかもしれない」と感じていただけたのではないでしょうか。

実は、これらの話しは根拠無く言っているのではありません。実際に脳内の細胞を見ても、同じようなことが起こっています。

記憶というのは、脳の細胞から手を伸ばしたシナプスが結びつき、交通が発生するということなわけですが、この脳細胞自体も、「Aから見たBと、Bから見たAという」結びつきをやっているそうです。しかも、脳科学者の池谷裕二氏によると、これらが発達する際は、べき上で発達するというのです。

学習はべき上だということを表す図

※参考文献 最新脳科学が教える 高校生の勉強法
(当サイトで何度も登場する学習に関する超良書です。学習する全ての人に読んでもらいたい本。私だけではなく、Amazonのレビューが物語っています)

これらを見ると、学習を開始したばかりの時は、やってもやっても効果がほとんど表れないのがよく分かると思います。学習量が1段階右にシフトしても、土台の部分が少ないので、1が2、2が4といったように、ほとんど効果が表れないのです。

これが、がんばってもがんばっても効果が出にくい最初の半年くらいの時期の正体です。逆に言えば、ある時期を堺に、だんだんと覚えやすくなってきます。

私は学習当時にこの法則を知っていたわけではありませんでしたが、驚くべきことにまさしくこの通りでした。ある時期から、急激に理解できるようになってきたのです。

雲の上の人が存在する理由

先ほどの図を見ると、グラフの左側よりも、右側の方が急激なカーブを描いているのがわかると思います。これが、スーパーWebクリエイターの仕組みです。学習効果はべき上なので、レベルが上の人ほど、とてつもなく大きな能力差となって表れるのです。

Webデザインを始めたばかりの人から見て、スーパーWebクリエイターは、本当に雲の上の人のように見えてしまいます。これらの人を「天才だから」とかたづけてしまうのは簡単ですが、これらの人もみな最初は1から始めています。努力さえすれば、誰だってそこまで到達できる可能性はあるんですよ。

できる人はさらに覚えられる

これまでのお話で、学習効果の基本がなんとなくでもお分かりいただけたと思います。これはつまり、熟練したWebデザイナーは新たなことを覚えるときに、より有利により早く覚えることができるということです。新しいことと言っても、しょせんは同じデジタル世界のもの。つまり全てが今までの延長線上だからです。

Web業界は新しいことがどんどん導入されていきます。しかし、すでに“Webデザイン脳”とも言うべき土台ができている人は、新しいことに比較的簡単に順応することができる。逆に、学習中の人にとっては覚えることが大変です。

しかしこれまでのお話しの通り、一定以上学習すれば誰でもどんどん覚えやすくなっていくことは間違いありません。学習を始めたばかりの時期は我慢だと思って、くじけず乗り越えてください。

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コメント

yuri さん 2013年04月29日12時19分
馬場様、いつもありがとうございます。
お礼を伝えたくてコメントさせていただきます。

私は、web更新の仕事を未経験から入って、1年経つ者です(主に更新作業で、コピペの世界です)。最近web制作もできるようにと本腰を入れて学習を始めたのですが、範囲が広すぎて気が遠くなり気持ちばかりが焦っておりました。

就職する前も、こちらのブログを参考にさせていただいていたのですが、今、もう一度読むと、とても参考になりました(偉そうにすみません。他に書き方がわからなくて)。千里の道も一歩からと言う気持ちでやっていこうと思えました。ありがとうございます。

これからも、更新楽しみにしております(^^)
馬場誠 さん 2013年04月30日20時44分
yuriさん、こんばんは。
> 今、もう一度読むと、とても参考になりました
私自身も、本で同じような経験がよくあります。 1度目に読んだときはさらっと読めてしまった部分でも、後で読んだらなるほど、と思うことってありますよね。 今回のケースにおいては、おそらくyuriさんが経験を積んで成長されたからなのだと思います(^^)
> これからも、更新楽しみにしております(^^)
ありがとうございます。 最近バタバタしていて更新できていないので、落ち着き次第更新していきたいと思います☆
通りすがり さん 2013年10月02日22時59分
言葉が多いだけで結局意味がないじゃないですか。
そんな能力の多い業界とも思えません。あなたもふくめて
馬場誠 さん 2013年10月03日19時08分
おっしゃるとおり、私は凡人ですからたいした能力なんてありません(^^)

そんな私には、Webはとんでもなく幅広く、必要とされる能力も様々な業界だと思っていますが、通りすがりさんそうは思わないとのこと。すごいですね!きっと私のような一般人には理解できないくらい優れた方なのでしょう(^-^;)

そのような方に役立てるはずもなく、大変失礼しました。
のび太 さん 2014年09月29日16時06分
簿記1級の勉強をしているのですが、
勉強をしてもほとんど身につかず悩んで
いました。
このブログを拝見させて頂き納得しました。
諦めず続けていきたいと思います。
感謝します。
馬場誠 さん 2014年09月29日19時41分
のび太さん、こんばんは。
この考え方はWebに限らず全ての学びに共通していますので、続けていればいつか必ず実る日がくると思います。少しでもお役に立てたのでしたら幸いです☆
のび太 さん 2014年09月30日16時48分
大変失礼とは思いますが、質問させてください。
できるだけ毎日勉強するようにしているのですが、
段々と疲れがでて能率が悪くなっているような
気がします。本やネットで調べてみたのですが、
はっきりしたことはわかりませんでした。

人それぞれだとは思うのですが、どのように休日
をとればよいか、休日はとらず毎日続けていくべ
きか?など是非教えて頂きたいです。

勉強の効率を上げて出来る限り早く簿記1級試験
に合格したいと考えております。
笑われるような質問だと思いますが、真剣に
悩んでおります。
宜しくお願い致します。
馬場誠 さん 2014年10月01日18時36分
のび太さん、こんばんは。

学習の専門家でも無く、資格勉強は専門外ということで、あくまで1意見ということでよろしければお聞きいただければと思います。

疲れて能率が悪くなる……というのは、肉体的なものと精神的なものに分けることができると思います。

前者の場合は、無理せず疲れたと感じたときに休まれた方がいいように思います。

後者の場合は、同じ簿記に関することでも、少し違った項目を学ぶなど工夫したり、お茶を飲んで気持ちを切り替えたりするだけで、改善されることもあると思います。


個人的な考えとしては、肉体的な疲れがなくモチベーションが保てているのであれば、基本毎日でも学んだ方が良いとは思います。

しかし、モチベーションの低下が原因の精神的な疲れが多くなってきている場合は、休むことでモチベーションが上がるのであれば、休むことにも意味があると言えるかもしれませんね。
のび太 さん 2014年10月02日00時25分
大変参考になりました。

どうでもいいような質問に丁寧に
答えて頂き有難うございました。

心より感謝致します。
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